「大人の装身具」はじまります

西洋のジュエリーに対しての日本の装身具。日本の装身具は装剣金工の工人たちに始まったといわれます。明治9年の帯刀禁止令以降、職を失った彫金師たちが当時需要のあった西洋式軍服の金属ボタン、サーベルなどの製作へのりだしました。指輪、ブレスレット、ネックレスなどは輸出向けに。国内向けには煙草入れの前金具や女性用の帯留めや簪などを。その後は国内でも西洋式のジュエリーの需要が高まり、西洋のデザインを真似たものから日本人の好みに合ったデザインの繊細な装身具が作られていくわけです。幕末に流行した小ぶりな蒔絵の櫛、明治には目貫を思わせるパチン式の帯留め、大正時代には翡翠と珊瑚の流行、昭和に入ると素材が多様化し陶器やセルロイドの帯留め、地金と天然石を組み合わせたモダンなデザインのもの、虫などの面白いモチーフなど多様化してきます。戦前の帯留めからブローチ、アンティークビーズのネックレス、本鼈甲のかんざしや笄、昭和30年代に流行した天然石付きのシルバーリング、大ぶりなイヤリングなど約200点。それぞれの時代の流れに思いを馳せてその繊細な手仕事を楽しんでいただけましたら幸いです。
 
 
「大人の装身具」
12月1日(土)〜13日(木)